07
03
AMD CPUを搭載したクライアントOS環境でも、ようやく「Nested Hyper-V」が正式に利用可能になった。
Nested Hyper-Vとは、Hyper-V環境で作成した仮想マシンの中で、さらにHyper-Vを利用して仮想マシンを動作させる技術のこと。
Microsoftのドキュメントでは「入れ子になった仮想化」と呼ばれているが、クライアントOSでも、すでに2016年8月提供のWindows 10 Anniversary Update以降でサポートされていた機能だ。
しかし、以下のドキュメントに記載されているように、前提条件として「入れ子は現在 Intelのみでサポートされています」と記載されていて、AMD製CPU搭載機では利用できなかった。
上記のドキュメントは2016年版で、その後の2020年に、Windows Insider向けにAMD向けのNested Hyper-Vがプレビュー版として提供されていたのだが、2021年、Windows 11の登場によって、ようやくNested Hyper-Vが正式にAMD製CPUでも利用可能になったわけだ。
Nested Hyper-Vは、本来Hyper-Vコンテナ向けに開発された技術であったが、検証目的で利用されることも多い。Windows 11で言えば、WSL2を検証したいとか、今後搭載予定の新機能となるAndroidアプリ対応なども、Nested Hyper-Vが使えれば、仮想マシンの中で検証が完結する。
もちろん、企業ユーザーがサーバーをHyper-V環境に移行するための検証をするときなどにも便利だし、一般ユーザーがWindows 11の機能を試してみたいと思ったときに、仮に仮想環境が必要だとしても、実機を用意することなく手元のクライアントPC上の仮想環境だけでテストが完結するようになったのは、ありがたいところだ。