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再開発が進む札幌市の中心部。地上だけではなく、地下も変わりつつある。春に開業を控えた、地下の大型駐輪場にカメラが潜入。開業の背景には、全国でも有数の放置自転車の多さがあった。
JR札幌駅周辺や大通・ススキノ地区で着々と進む再開発。2022年4月、大通地区に札幌市中心部で最大規模の市営駐輪場が誕生する。
この記事の画像(14枚)狸小路2丁目のアーケードを出たところに、駐輪場の出入り口がある。地下鉄の大通駅までつながっているようだ。
百貨店や大型商業施設が立ち並び、狸小路商店街からもアクセスがしやすい、南1条西2丁目から南2条西2丁目にかけた道路の下に駐輪場は作られている。
約6年に及ぶ工事の末、ついにカメラの潜入が許可された。
札幌市自転車対策担当課・久米田真人課長:下りは右側で、ブレーキをかけながら下ろしていく。左側はベルトコンベヤーになっていて、上りの時はベルトコンベヤーで自転車を運びながら上ることができる。道路の下の駐輪場というのは珍しい
約70mのスロープを下りると、目の前に広がるのは全長80mの駐輪場。自転車や原付バイクなど1300台を収容する。
札幌市自転車対策担当課・久米田真人課長:周辺にたくさんデパートもあり、その意味でもここがいいだろうと。都心はすごく土地が高い。ビルがたくさん建っていて、駐輪場を確保することが難しい。都心の限られた空間を有効利用するために二層式で作った
地下1階には自転車と原付バイク合わせて600台分を、地下2階には自転車700台分のスペースを確保した。
料金は駐輪するたびに支払うか、1か月1500円などの定期利用を予定しているということだ。
駐輪場には地下鉄大通駅のコンコースからも行けるよう工事が進められている。大通駅の36番出口近くに駐輪場の出入り口が設置され、地上に出ることなく往来が可能に。通勤や通学で利用する人の利便性も考えられている。
道路と地下鉄の間に整備された駐輪場。工事関係者は非常に難しい工事だったと振り返るが、札幌市にはどうしても中心部に駐輪場を作らなければいけない理由があった。
札幌市自転車対策担当課・久米田真人課長:たくさんの路上駐輪があり、歩行者が歩きづらくなっていた
2015年に内閣府が実施した駅周辺の放置自転車に関する調査では、札幌市は横浜市、名古屋市に次いで3番目に多い地域だった。
札幌市は駐輪場の整備を進め、2021年は2600台余りまで放置台数が減ったが、路上の違法駐輪はなくなっていない。
地下駐輪場を設置し、放置自転車の解消を目指している。
札幌市自転車対策担当課・久米田真人課長:沿道の人や通行人には迷惑をかけたが、やっと完成が近づいてきた。立派なものができたので、たくさんの人に使ってもらいたい
地上だけでなく、地下も変わりつつある札幌市。駐輪場の営業開始は4月の予定だ。
駐輪場ができるのは、南1条通と南2条通の西2丁目と1丁目の間の道路の真下で、デパートや狸小路商店街へのアクセスにも便利な場所だ。
「西2丁目駐輪場」の概要は以下の通り。・約1300台収容(自転車:約1220台、原付バイク:約80台)・4月開業予定・有料(1回100円)・地下鉄大通駅に直結・管理人が常駐・午前6時~翌午前0時
地下を有効活用し、魅力ある札幌の街の姿にできるか。巨大駐輪場が大きなカギを握っていると言えそうだ。
(北海道文化放送)