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ソニーが6月25日に発売する完全ワイヤレスイヤホンWF-1000XM4。ハイレゾ、防滴、ワイヤレス充電などに対応するなど、前モデルWF-1000XM3を持っていても、注目している人は多いのではないかと思います。
筆者もとりあえず予約はしましたが、正直なところハイレゾやLDAC、DSEE Extremeだ360 Rearity Audioだと言われたところで、きちんと聞き分けるだけの耳は持っていません。そもそも、普段からじっくり音楽を聴くような生活はしておらず、BGM的にジャズやクラシック、アニソンなどを流す程度。洋楽やらJ-POPやら、流行りの音楽などもさっぱりわかりません。
ということで、音質面でのレビューは識者の方々がじっくりと行ってくれると信じて、今回はWF-1000XM3と比較して外観がどう変わったのか、Fast PairやSwiftペア対応で接続性がどうなったのかなど、音質面以外を中心にレビューしたいと思います。
WF-1000XM4 ブラック (Amazon.co.jp)
WF-1000XM4 プラチナシルバー (Amazon.co.jp)
装着感がアップしたWF-1000XM4
まずサイズについて見てみます。ケースが大幅に小型化され、公称では約40%の小型化とのこと。イヤホンを含まないケース単体での重さもWF-1000XM3の75.8gから、40gへと半分近く軽量化されました。
小さく軽くなった分、バッテリー容量が犠牲になっているのではと心配になりますが、WF-1000XM4はイヤホンのみで8時間、ケース併用で+16時間の計24時間の音楽再生に対応(ノイズキャンセリングがONの場合)。WF-1000XM3は単体で6時間、ケース併用で+18時間の計24時間で、トータルの再生時間に変化はありません。
また、5分の充電で60分再生が可能な急速充電に対応(WF-1000XM3は10分充電で90分再生)するほか、Qi規格のワイヤレス充電にも対応しました。出先でバッテリーが切れても、Xperiaのおすそ分け充電や、Galaxyのパワーシェアなどを用いて、スマートフォンの背面に載せての充電も可能です。
イヤホン単体も約10%小型化。見た目が随分と変わりました。
それだけではなく、耳への装着感が大幅にアップしています。WF-1000XM3は耳からやや飛び出し、イヤーピースだけで支えているような印象でしたが、WF-1000XM4は耳にしっかりと収まる感じがします。実際のところ、WF-1000XM3も装着時に落下したことはありませんが、安心感は増しています。
WF-1000XM4 ブラック (Amazon.co.jp)
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装着したまま会話できるスピーク・トゥ・チャット
ノイズキャンセリングは、WF-1000XM3も強力でしたが、WF-1000XM4はさらに性能が向上しているとのこと。正直なところ2つを聴き比べてみても、あまり違いを感じないのですが、強いて言うならWF-1000XM4のほうが人の話し声は聞こえにくくなった印象です。
このため、話しかけられた際の気づけにくさはアップしているので注意が必要かもしれません。また、あらたにスピーク・トゥ・チャット機能を搭載しています。装着者の発話を検知すると、音楽を一時停止して外音取込モードに切り替わるので、イヤホンを外さなくても会話ができます。
ただ、起点はあくまでも装着者の発話。話しかけられていることに気づきやすくなるものではありません。
Fast Pairに対応したWF-1000XM4
機能的な面では、GoogleのFast Pairに対応しています。これはペアリングモードにした機器をAndroid端末に近づけると、それを検知してセットアップ画面が表示されるというもの。個別にBluetooth設定からペアリングを行わなくても、画面の指示に従ってタップしていけばセットアップが完了します。
初期設定の完了後にもメリットがあり、接続するとイヤホンやケースのバッテリー残量が表示されます。コンパニオンアプリのHeadphones Connectを使えばわかる内容ですが、アプリを開かずに通知欄で見られるのが特徴です。
また、WindowsのSwiftペアにも対応しました。これもAndroidのFast Pairと同様に、ペアリングモードでWindowsに認識されると、接続を促すポップアップが表示され、簡単にペアリングできるという機能です。残念ながら、こちらは初期設定が便利になるだけで、その後の恩恵は特にありません。
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マルチペアリングは8台まで
マルチペアリングについては、WF-1000XM3から変わらず、最大8台との接続に対応します。複数台と同時に接続できるマルチポイントには非対応です。
接続は後勝ちで接続中のデバイスで音楽を再生していたとしても、他のデバイスから接続すると再生が停止しそちらに繋がります。自宅ではPCに接続して、外出する際にスマートフォンに切り替える場合など、いちいち切断処理が必要ないので便利です。とはいえ、この辺りはWF-1000XM3と同じです。
LDAC接続はひと手間必要
音質なんかわからない……と言いつつ、一応LDACについても触れておきます。Androidは8.0以降、LDACを標準サポートしているので、多くの端末がLDACを利用できます(ただし、すべての端末で利用できるわけではありません)。なお、Xperiaシリーズは手間なくLDACで接続できるようですが、他の端末では設定が必要な場合があります。
たとえば、Pixel 5の場合は、Headphones ConnectでBluetooth接続設定を音質優先にした場合のみLDACで接続します(接続優先だとAACになります)。Galaxy S21 Ultra 5Gでは、この設定に加えてBluetooth設定でLDACを有効にしなければいけませんでした(Pixel 5はデフォルトで有効でした)。
また、iPhoneやWindowsはLDACに対応していません。iPhoneではAACとDSEE Extremeによるハイレゾ相当へのアップグレードが最高品質に。一方、WindowsでははAACも非対応なのでSBCでの接続となります。せめてaptXに対応していればと思いますが、ソニーとしてはLDACによる高音質を優先した結果なのでしょう。
コンパクトさ、LDACに惹かれるなら検討の価値はアリ
WF-1000XM3から買い替える価値があるかどうかですが、その人がイヤホンに何を求めるかによって意見は別れそうです。
音質が良くなったのかどうか、正直私にはわかりませんが、ハイレゾ再生を待っていた、LDAC最高という人ならば、迷わず買いなのでしょう。それ以外でも、ノイズキャンセリングが強化され、人の話し声がWF-1000XM3と比べると聞こえづらくなっているので、家族がいる自宅で仕事をしなければいけないような人にはメリットがありそうです。
そして、地味にうれしいのがIPX4相当の防滴仕様になったこと。WF-1000XM4なら汗やちょっとした雨を気にする必要はありません。耳への収まりも良くなっているので、WF-1000XM3を運動時に利用しているという人なら買い替えを検討するべきでしょう。
ともあれ、昨今の状況では難しいかもしれませんが、量販店等で試聴してみてほしいところです。とくに、WF-1000XM3が耳に合わなかった(物理的に)という人は、試してみる価値はあると思います。
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