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スマートフォンという存在が市場で認識され始めてから、すでに10年以上が経過したが、これまで国内外のモバイル市場は、各社の最新の技術を投入したハイエンドモデルを中心に拡大してきた。各携帯電話会社をはじめ、GoogleなどのOTTプレーヤーが提供するサービスの存在も大きいが、やはり、多くのユーザーが関心を寄せてきたのは、各社が開発した最新のハイエンドモデルだった。
ところが、一昨年の電気通信事業法改正により、国内のモバイル市場、なかでも端末販売については、大きな曲り角を迎えている。
かつては各社の販売奨励金や端末購入補助などによって、10万円を超える端末でもユーザーの実質負担は半分程度に抑えられていたが、端末購入時のサポートが約2万円に制限されたことで、各社のフラッグシップモデルは明らかに売れ行きが鈍化し、3~5万円程度のミッドレンジのモデルが売れ行きを伸ばしている。
国内で半数近いシェアを持つアップルのiPhoneも売れ筋は手頃な価格のiPhone SEや旧機種のiPhone 11などに傾いており、iPhone 12 Proシリーズなどの上位モデルはかつてのような勢いが感じられない。
それはAndroidプラットフォームを採用するGalaxyやAQUOS、Xperiaなどでも同様で、各社はここ数年、ラインアップを見直しながら、どのような端末を提案していくのかに苦労を重ねている。