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世界的な登山写真家が捉えた、ほぼ誰もたどり着けない10の「絶景」(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース

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<世界屈指の登山家で写真家・映画監督でもあるジミー・チンが、世界7大陸での命懸けの冒険をまとめた作品集『ゼア・アンド・バック』から10の絶景を紹介>

ブリティッシュコロンビア州(カナダ) JIMMY CHIN

ジミー・チンは、超高難度の山岳スポーツの写真家にしてアカデミー賞も受賞した映画監督、そして世界屈指の登山家でもある。エベレストのスキー滑降からヒマラヤ・メルー峰の岩壁「シャークスフィン」の征服まで、前人未到の偉業に挑む本物のスーパーヒーローだ。【写真】ごく一部の冒険家しか実際に目にすることができない「10の絶景」写真を見るしかし、意外にも世界で最も高い花崗岩の壁の1つを登ることが人生最大のリスクだったとは思っていない。それより大きかったのは、20代前半で下した人生の選択だった。「自分の夢に懸け、ヨセミテ(国立公園)に移り住み、車の中で生活した」と、チンは登山の夢を追う決意をした当時を本誌に語る。「クライミングは私がずっとやりたかったことで、決断に迷いはなかったと思われるかもしれない。でも、その後は何年間も疑心暗鬼だった」それでも夢を追い掛けてヨセミテに向かい、青いスバルの後部座席で6年間暮らした決断は、間違いなく報われた。チンは今、世界最高のクライマーの1人。さらに人類史上最も偉大な身体的勝利のいくつかを映像や写真に収めることにも成功した。チンの人生は、大きな賭けと人間の持つ可能性の到達点であり、その偉業は彼だけものではない。2019年にアカデミー賞を受賞した『フリーソロ』は、世界で最も有名な岩壁「エルキャピタン」の端にカメラを持ってぶら下がったチンが、ロープや安全装置を一切使わずに登るアレックス・オノルドの姿を撮影したドキュメンタリー。映画制作のパートナーであり妻でもあるエリザベス・チャイ・バサルヘリィとの2作目の共同監督作品だった(1作目は2人を恋仲にした15年の『MERU/メルー』)。2人の最新作は、18年に洞窟内に閉じ込められたタイの少年サッカーチーム救出についてのドキュメンタリー『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』(日本公開2月11日)。既にアカデミー賞の有力候補と噂されている。チンはほとんど誰も追っていけない場所に出掛けるが、20年以上にわたる世界7大陸での命懸けの冒険をまとめた新刊の作品集『ゼア・アンド・バック──崖っぷちからの写真』では、その世界を特等席でのぞき見ることができる。南極大陸の氷の頂から、サハラ砂漠南部の世界一高い砂岩の塔まで、圧倒的な写真の数々を眺めるだけで心臓の鼓動が少し速くなるはずだ。『ゼア・アンド・バック──崖っぷちからの写真』表紙写真に写っているのは、チョモランマの登山ガイドのカミ・シェルパとミンマ・シェルパReprinted with permission from THERE AND BACK.Copyright (c) 2021 Jimmy Chin, Published by Ten Speed Press.

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最終更新:ニューズウィーク日本版