捜索範囲内灘まで拡大 小松基地F1...

09
02

捜索範囲内灘まで拡大 小松基地F15墜落 白山の海岸、機体の一部回収

漂着物を捜索するため集合した自衛隊員=3日午後2時、白山市徳光町

捜索範囲内灘まで拡大 小松基地F15墜落 白山の海岸、機体の一部回収

墜落機の手掛かりを捜索する潜水艦救難艦「ちはや」=同日午前8時半、加賀市片山津の新保海岸から

●乗員、機体見つからず 消息を絶った航空自衛隊小松基地のF15戦闘機の捜索は3日、墜落から丸3日が経過した。乗員2人は依然不明。白山市の海岸では機体の一部とみられる漂着物が複数回収された。基地の石引大吾司令は北國新聞社の取材に対し、「時間がたつにつれ、潮流もあるので捜索場所は広がっている」と述べ、陸海空の各自衛隊は金沢、内灘にも範囲を広げ、隊員は悪天候の下、2人の発見を信じて捜索を続けた。【写真】墜落機の特徴であるトラ柄のデザインが施された機体の一部とみられる漂着物 白山市徳光海岸近くの駐車場には、小松基地の隊員約80人が大型バスなどで集まり、10人程度ずつのグループに分かれて白山市や金沢方面の海岸に向かった。 徳光海岸では時折雨が吹き付ける中、隊員が四角いスポンジ状の物体を3袋分集め、表面が黒色の部品も回収した。隊員は「仲間が生きていると思い、続ける」と話した。 陸上自衛隊金沢駐屯地の隊員約100人が3日から参加し、上空からは空自ヘリが海岸線に沿って手掛かりを捜した。 3日は捜索範囲を金沢沖にまで広げ、イージス艦「みょうこう」が参加したとみられる。海上保安庁は金沢海保の巡視船艇のほか、第3管区海上保安本部(横浜市)の特殊救難隊を投入した。 事故発生直後から海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「ひゅうが」などが捜索に当たっていた。ひゅうが搭載の大型ヘリコプターは、海中を音波で探索できるつり下げ式ソナーで機体を探し、潜水艦救難艦「ちはや」は、無人探査機を使い海中を調べた。 石引司令は加賀市、川北町、白山市、能美市の各首長を訪ね謝罪した。●現場海域の潮流読みにくく 石川県漁協小松支所によると、機影がレーダーから消えた小松基地から約5キロの海域は水深50~70メートル。冬場は高波や北風の影響で潮の流れが読みにくい。 この海域では、特徴的なトラ柄のデザインが施された機体の外板や救命装備品の一部が見つかったが、原因究明につながる機体本体やフライトデータレコーダーは発見されていない。 金沢沖を漁場とする漁師は「沿岸の潮は北へ向かって流れていると考えられる」と推測した。●「人ごとと思えない」 時間の経過とともに、墜落機に搭乗していた飛行教導群司令、田中公司1等空佐(52)と同群の植田竜生1等空尉(33)の安否を気遣う声が増える。地元住民でつくる飛行教導群の協力会「アグレス会」の上田真会長(58)=小松市=は、昨年12月の同群創立40周年記念式典などで田中1佐と接し、「明るく気さくな方。現実を受け止められない」と語った。田中1佐がかつて赴任した空自松島基地(宮城県東松島市)で、おいが操縦士をしている小松市木場町の渡部菊志さん(80)は「人ごととは思えない」と行方不明の2人をおもんぱかった。