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好立地で集客狙う「三九餃子安田通店」
中部地区に空前のギョウザブームが到来しそうな気配だ。全国を席巻する「餃子の雪松」(群馬県)の名古屋上陸を皮切りに、持ち帰り冷凍ギョウザの24時間無人販売店が同市内を中心に続々とオープンしている。JBイレブン(名古屋市)が手掛ける「50年餃子」など外食チェーンから、老舗中華料理店「夜来香」(同)などの個人店、異業種の参入まで群雄割拠だ。名古屋の「ギョウザ戦争」が、にわかにヒートアップし始めている。激戦区の名古屋市で新たな勝負に挑むのは、有人ギョウザ販売店を豊田市と岡崎市に展開する「三九餃子」だ。8月、三河地区を飛び出し、無人販売店の安田通店(名古屋市昭和区)を出店した。三九餃子(36個入り、税込み1000円)の特徴は、三河産ブランド豚「みかわもち豚」を100%使用している点だ。特に名古屋市に在住・在勤・在学の三河出身者は、地元産の豚肉を使ったギョウザに関心を寄せているという。今回の出店では、ギョウザ専門店が乱立する昭和区であることから、大通り沿いで食品スーパーが隣接し集客が見込める立地を選んだ。担当者は、「将来的に水ギョウザや小籠包へ広げたい」と商品の充実を図っていく構えだ。また、名古屋市内を中心に遊興施設を展開する新日本実業(名古屋市)は、ギョウザを売りにした居酒屋を9月22日に開店した。中村区の広小路通沿いにある「ひとくち餃子 ストライク」は、酒に合う小ぶりのギョウザをメーンに各種おつまみを取り揃えるほか、ご飯ものも充実させ、夕食時だけでなくランチにも使いやすくしている。また、ギョウザのテークアウトに加え、宅配にも対応していく。老舗キャバレー「花園」など計10店舗を運営する同社は、今回の出店を新規事業と位置付ける。「おつまみギョウザ」を武器に、コロナ後を見据えた新たな客層の掘り起こしに挑む。
日本食糧新聞社