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演劇やダンスあるいは落語や漫才など。これらは演者と観客が同じ空間と時間を共有するライブ性を一つの軸として発展してきた文化だ。新型コロナウイルスの流行によって、その軸が地球規模で大きく揺らいでいるのが現在だが、同時にパフォーミングアーツの可能性や定義を再検討し、定義し直す好機でもあるかもしれない。例えば記録に残しづらいこれらの表現形態を「アーカイブ」するにはどのようにすればいいのだろうか?
それを実践的に考える試みが、「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(略称:EPAD)」だ。各ジャンルの団体や学術機関が連携し、舞台芸術のアーカイブ化を促進し、映像配信などを通じて作品へのアクセシビリティを高めていくという。
そういったアーカイブと活用の可能性を考えるために今回話を聞くのが、アートプロデューサーの相馬千秋と人類学者の石倉敏明だ。コロナ禍に先行して早くからVRを演劇に持ち込んだ相馬と、芸術や芸能が持つアーカイブ性、伝承性を研究する石倉に、アーカイブ構築が向かっていく未来を尋ねた。