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今から5年前の2016年、iPad用のSwift Playgroundsがリリースされました。Swift Playgroundsは誰でも簡単にプログラミングとコードを学べる、Appleが提供する無料のアプリケーション。現在は4か国語に対応しており、日本を始め、世界各国でのiPad教育に利用されています。
ユニークなキャラクター「Byte(バイト)」と共にゲーム感覚で学べるようになっており、教育者(指導者)向けのPDFガイド「Everyone can code」も配布されています。コーディングを教えるということは、言語を教えるだけでなく、新しい学びの場を提供することであり、自らの創造性をどう発揮するのかを教えるということでもあります。Swift Playgroundsには、あらかじめ指導用のカリキュラムが揃っているので、初めてプログラミングを教える指導者にも負担が少ないのが特徴。2020年にはMac版もリリースされています。
そして2021年12月15日(米国時間)、そんなSwift PlaygroundsのVer.4.0がリリースされました。中でも強化されたのはiPad版の機能と言えるでしょう。Appleが開発したアプリケーションのUI構築用フレームワーク「SwiftUI」を使って、iPhoneやiPadのアプリケーションが制作できるようになりました。
2021年6月に開催されたWWDCで「iPadはスーパーパワーを秘めることになる」と言われていたのが、このアップデートのことだったわけです。これまでiPad版のSwift Playgroundsは、あくまでコードを学ぶための練習用アプリケーションで、オリジナルアプリを完成させるにはMacが必要でした。それが、今回のアップデートで作成からダイレクトに公開まで可能になったわけです。
アプリの作成は左下にある「App」から始めます。新しいプロジェクトが立ち上がり、左側でコードの記述ができます。右側に出ているのは、リアルタイムのプレビュー。このように、書く・修正する・確認するという全てが同時にiPad上でできるのです。
プログラミングは一般的なテキスト記述とは違うため、初心者は完成形が見えないとつまずきやすい。でも、このプレビューがあれば、写真加工アプリのようにフォントサイズをスライドバーで変更したり、実際に写真イメージの上にテキストを重ねた様子をリアルタイムで見たりしながら、直感的に作業できます。これなら初心者でも完成まで続けられそうですね。
さらに、一般的なアプリでよく使われるタブビュー、ナビゲーションアプリなどのサンプルもあり、少し記述を変えるだけで「いつも使っているアプリのように動作する」形が作れるのも楽しい。ほかにも、ミー文字や、イメージアセット、アイコンも用意されており、直感的にアプリ制作が始められます。
中級者ならApp galleryを見て、テクニック磨くことも。テンプレートやサンプルには、Walkthroughと呼ばれる詳細説明がついているので、もっと本格的にプログラミングを学びたい人が自主学習で活用できるでしょう。
なおプロジェクトはAirDropで共有も可能なので、移動中にiPadで作成し、自宅では自分のMacにAirDropしてX-code上で開いて作業、最終的にiPadに戻して完成させる、といったフレキシブルな環境も構築できてしまいます。
公開時はサイドバーにある「App Setting」からアプリケーションのアイコンを選び、データを選択。そして、App Store提出用のバンドルIDを設定し、App Storeコネクトを使ってアップロードすればOK。もちろん通常通りの審査が行われるので、作成したすべてのアプリがApp Storeに並ぶ訳ではないが、ここから幅広い世代の新しい才能、新しいデベロッパーが数多く発掘されていくのかもしれません。
今からコードを学んでみたい人には持ってこいのSwiftPlaygrounds。Ver.4.0は、App Stpreから今すぐダウンロードして始められます。Swift UIに触れるのが初めてと言う人は、変数のループや関数、コーディングの基礎を学べる「コーディングを始めよう」から始めるのがおすすめ。年末年始の新しいチャレンジにトライしてみてはいかがでしょうか。