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骨伝導イヤフォンの分野で注目を集めた「AfterShokz」(アフターショックス)が、2021年にブランド名を「Shokz」(ショックス)へと変えた。新ブランドの第1弾として、クラウドファンディング「GREEN FUNDING」で出資者を募っている製品が「OpenRun Pro」(オープンランプロ)だ。これは、2019年にAfterShokz時代に発売された「Aeropex」(エアロぺクス)の後継にあたるモデルとなる。
キャンペーン終了間際に借りる機会を得たので、使用感をお届けしよう。
Shokzの骨伝導イヤフォン「OpenRun Pro」。IP55の防じん防水機能を備える。写真のブラックの他、ブルーも用意されるOpenRun Proのパッケージを開いて、最初に感じたのが「おっ、小さい」というものだ。これまで筆者が使ってきた骨伝導イヤフォンが、キャップに組み込まれたものや、低価格のものしかなかったからだ。
これまで筆者が使ってきた骨伝導イヤフォン関連の一部。キャップは色違いまでそろえたOpenRun Proは、重量がわずか約29gというごくごくコンパクトな骨伝導イヤフォンだ。バンド部分はチタニウム製で、かなり自在に曲げることができる。
最大10時間の連続使用可能なバッテリーを備えており、往復2時間の通勤、3時間のオンラインミーティング、1時間のワークアウト、3時間の動画鑑賞をするというライフスタイルのモデルにおいて、「それでもまだ1時間の余裕がありますよ」ということをアピールする仕様となっている。こんなに小さいのに、そんなに長時間も持つものなのだろうか。
しかも、5分の充電で約1.5時間使えるようにする急速充電にも対応し、寝る前に充電するのを忘れてしまったという場合でも、身支度をしている間に通勤時間の音楽再生分くらいは間に合いそうだ。
充電は、専用のマグネットポート経由で行う。近づければ「カチッ」と心地よい音とともに接続されるので、ケーブルを挿すような面倒もないのがいい。
OpenRun Proのパッケージには、本体に加え、キャリングケース、充電用のUSBケーブル、マニュアル、アプリインストールを促すリーフレットが含まれる充電用のマグネットポート。磁力が強力で、これ以上近づけると「カチッ」とくっつく充電中はLEDが赤く点灯するOpenRun Proは、通話時にこちら側の周囲で発生する雑音を相手に伝えないようにするデュアルノイズキャンセリングマイクを搭載しており、通常の通話だけでなくFacebook MessengerやFaceTime、LINE通話など、多くの通話アプリで使えるという。それらのアプリからの着信応答もOpenRun Proの「マルチファンクションボタン」で行える。
マイクは右側に内蔵されているまたマルチペアリングに対応しており、同時接続台数は最大2台となる。会議に備えて仕事用PCと、仕事中またはワークアウトのBGMリスニング用にスマホと接続しておく、といった使い方が可能だ。
電源ボタンの長押しで1台目をペアリングした後、電源をオフにしてから、再度電源ボタンの長押しで2台目の機器とペアリングする。電源をオフにした後、電源ボタン長押しでペアリングモードにしてから、電源ボタン(またはボリュームアップボタン)とマルチファンクションボタンの長押しでマルチペアリングモードになるこれまでShokzでは、デバイスをカスタマイズするための専用アプリを提供してこなかったが、OpenRun ProではiOS/Android用にShokzアプリが提供される。残念ながら執筆している段階では、アプリストアに登録されていなかったが、マルチファンクションボタンに割り当てる機能のカスタマイズ、イコライザーの設定、言語切り替え、バッテリー残量確認などが行えるようになる。アプリを通じてファームウェアアップデートも提供される予定だという。
IP55レベルの防じん防水性能も備えるため、小雨の中でのワークアウトや、真夏に汗をかきながら電車に駆け込むときでも問題なしだ。ただし、前モデルであるAeropexほど高い防じん防水性能(IP67)ではないので、土砂降りの雨の中、シャワー中の利用などは保証されていない。突発的な雨でも心配不要、汗が付着しても水で洗い流せる、程度に考えておいた方がよさそうだ。
OpenRun Proの最大の特徴は、深みを感じさせる重低音の再生だという。これは、独自に開発した「Shokz TurboPitchテクノロジー」(第9世代)を採用したことによる。2基の低音エンハンサーをスピーカー内部に搭載することで、深みのある音に近づけたのだ。
通信規格はBluetooth 5.1で、通信距離は約10mとなる。対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HSP、HFP。周波数特性は20Hz〜2万Hzとなっている。
以上、概要を見てきたところで、実際はどうなのだろうか。早速試してみよう。
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