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親と同居のきょうだい(高齢ニート、非正規、非婚)の世話を将来するのは誰? (2017年10月2日) - エキサイトニュース

50代まで働かずに実家で暮らす兄、離婚後より親のすねをかじる生活から抜け出せない40代の妹、独身・非正規・低収入で細々とひとり暮らしを続ける弟─。もし将来、彼らの生活が困窮したら、介護が必要になったら、その世話役はきょうだいが担うしかないのだろうか。いわゆる、「きょうだいリスク」に直面した人々の苦悩を取材した。まずは2つのケースを紹介しよう。

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●ケース1

大手食品会社に勤務する横川剛さん(仮名・56)は、妻と娘の3人暮らし。都内にマイホームを購入し、ローンの残りもあとわずか。そんなとき、とんでもない事態が舞い込む。それは父親からの1本の電話だった。

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「もう1人じゃ見きれん。福岡に帰ってきてほしい」

横川さんの実家は福岡。数年前に母が他界。84歳になる父と、非婚で無職の兄(57)が同居している。

「兄貴は40代で会社が倒産して失業しました。1度は工場に再就職したのですが、長く続かない。何度か見合いしてもうまくいかず、それ以降、ひきこもり、酒やゲームに没頭する生活になってしまったのです」

ときどき剛さんは実家に電話して兄に働くよう促すのだが、「放っておいてくれ」の一点張り。両親にも「あまり言わないで」と懇願され、口を出さなくなっていた。

父と兄が同居して間もなく、突然、兄は脳梗塞で倒れた。リハビリを重ね、ようやく歩いたり、会話したりできるようになったが、いまだに施設生活である。高齢の父が着替えを持っていき、懸命に兄の世話をしていたが、限界が訪れたのだ。

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