屋外でドローンを飛ばしてみた! 飛行...

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屋外でドローンを飛ばしてみた! 飛行エリアの規制と初心者も簡単なスマホ操作法まとめ|TIME&SPACE by KDDI

最近、耳にする機会も多いドローンだが、日本の法律では飛ばせる場所や時間などに多くの制限があることをご存知だろうか。そんな中、規制を受けないドローンとして、近年注目を集めているのが、重量200g未満の「トイドローン」。安価で操作も簡単なため、気軽に撮影や遊びに使うことができるのが魅力だ。今回はそんな「トイドローン」の魅力を、規制内容や注意点と共にお届けする。

まずは基礎知識として国内のドローン規制を確認しておこう。ドローンの自由な飛行が難しい大きな理由は、2015年に改正された「航空法」にある。

改正後の航空法ではドローンに対する規制が盛り込まれ、以下の3つのエリアでドローンの飛行が禁止された。

・150m以上の上空・空港周辺・人家の密集地域

違反した場合には50万円以下の罰金が課されるなど、その運用は厳格。そのほかにも、「夜間飛行の禁止」などの細かいルールがいくつかあり、特に都会では気軽にドローンを飛ばすことは難しいのが現状だ。

詳しい航空法による規制については国土交通省のHPより確認してほしい。

しかし、そんな航空法の規制を受けないドローンがある。それが重量200g未満の「トイドローン」。 最もドローン規制の強い東京都内でも、東京湾や隅田川などでは明確に禁止されていない。

また、値段も安価で入門機として手を伸ばしやすいのも魅力。小さな機体なので、自宅や庭でも十分に遊べ、ドローン練習場などへの持ち運びも簡単にできる。

とはいえ、実は航空法以外にもドローンに対する規制はいくつかあるので「知らないうちに違反していた」ということがないよう確認しておこう。

国会議事堂、皇居など、国の重要施設でのドローンの飛行は「小型無人機等飛行禁止法」で禁止されている。詳しくは警視庁HPで確認してほしい。

東京都の管理する都立公園、都立庭園などでのドローンの使用は「都立公園条例」で全面的に禁止されている。規制対象となる公園については東京都建設局HPから確認できる。

重要文化財や公園は想像しやすいが、実は高尾山や荒川などの山・川・海でも、独自にドローンの利用を禁止している管理者は少なくない。飛ばす前に必ず利用案内等を確認しておこう。私有地の上空で飛ばす場合も所有者・管理者への確認は必要だ。

「道路交通法」では公道上でのドローンの飛行を原則禁止していない。ただし、離着陸やアクロバット飛行など、交通の妨害となるような行為は規制対象となるため、十分に注意しよう。詳しくは総務省によるガイドラインから確認できる。

海外でつくられたドローンの場合、日本で許可されていない電波帯で通信していることがあるため、「電波法」に抵触することがある。電波法に適合しているかは、「技適マーク」と呼ばれるマークで確認できる。詳しくは総務省HPで確認してほしい。

ドローンで撮影した写真や映像に他人が映り込んでいる場合、「プライバシー権」や「肖像権」の侵害にあたる場合がある。ブログやSNSへのアップロードの際には特に注意が必要だ。

このように「トイドローンとはいえ無条件にどこでも飛ばせるわけではない」というのも確かな事実。しかし、ドローンにはその制約以上の楽しさがある。 そこで今回はその魅力を実際に飛ばしてみた様子とともにお届けしよう。

ドローンを飛ばすために隅田川にやってきた。隅田川や神田川などの東京都建設局の管理する河川は、ドローンの飛行を明確には禁止していない。ただし、周りの迷惑となるような飛行は利用案内により注意喚起されているので、周囲への十分な配慮を心がけよう。

今回使用するドローンはこちら。

DJIとIntelの技術を用い、Ryze Techが開発・販売を行う手のひらサイズのトイドローン「Tello」。 スマホの専用アプリからの簡単にできるのが特徴だ。また、500万画素のカメラでお手軽に空撮を楽しむこともできる。

では実際に飛ばしてみよう。

セッティングは至って簡単。まず、専用アプリを開く。

本体側面のスイッチを入れ、ランプが光ったら右下の「Telloに接続」をタップ。

スマホ上で「TELLO-XXXXXX」と表示されるWi-Fi回線に接続。

すると操作画面に遷移する。これで準備完了。スムーズなセッティングが魅力だ。

では離陸しよう。

まず、画面左上の矢印が上に向いたアイコンをタップ。

そして、その下のスライダーをスワイプ。たったこれだけで離陸する。

ここまでの所要時間は3分にも満たない。普段使い慣れているスマホでの操作ということもあるが、シンプルでスムーズなセッティングは初心者にも安心だ。

注意したいのはプロペラ音の大きさ。小さいサイズに見合わず、それなりの大きさなので周囲への配慮は十分に行いたい。

では、いよいよドローンを操作していこう。Telloの操作は本体に内蔵されたカメラの映像を見ながら、画面上のバーチャルパッドで行う。

左側の方向キーで上昇・下降と旋回が、右側の方向キーで前後左右への移動が操作できる。初めは少し難しいが慣れてくると、こんな風にすいすい動かせる。

スッと上昇する動きはほかにない操作感で、まさしくドローンを飛ばしているという喜びを感じさせてくれた。

四角い点線で囲まれた枠の中でのスワイプで、上下左右8方向に宙返りする。

突然見せる俊敏な動きにはじめは驚くが、だんだんと楽しくなってきてついついクルクル……。飛行中にスムーズに8D Flipsに繋げれば、クールなアクロバット飛行を指先ひとつで行える。

「Up & Away」は現在地からどんどん遠ざかっていく映像を撮ることのできるモード。

どういうことかというと……。

これだ。いかにも空撮らしさを感じさせてくれるこういった映像も、Telloならタップだけで簡単に行うことができる。

「あのよく見る映像がこんなに簡単に撮れるとは……」とこのモードにはいちばん驚かされた。屋外はもちろん、結婚式場などの広い空間なら屋内でも、ひと味違った撮影が行えるだろう。

筆者がドローンに触れるのは今回がはじめて。調べている間は飛ばせる場所の少なさに不安になることもあった。

しかし、実際に飛ばしてみると、画面を見ながら飛ばせるという未来感、空飛ぶ円盤を操っているかのような操作感、ドローンでしか撮れない映像など、規制以上のワクワクを掻き立てられる魅力に溢れていた。

また、先ほど述べたように、結婚式や同窓会での記念撮影や、アウトドアも兼ねての撮影など「意外と使える機会があるのでは」とも感じた。今回紹介したTelloもふくめ、トイドローンはスマホで簡単に操作できるうえに、比較的お求めやすい値段も魅力。ぜひ、ドローンを使った新しいアクティビティを体感してみて欲しい。