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ドコモケータイを振り返る 50xシリーズで高機能化が進み、FOMAが3Gの普及を後押し:ITmedia Mobile 20周年特別企画(1/3 ページ)

 2021年で創刊20周年を迎えた「ITmedia Mobile」。今回、ITmedia Mobileの20年を振り返る企画として、国内キャリアが2001年から2020年に発売した主要な「ケータイ」「スマートフォン」をピックアップしてまとめた。第1回目はNTTドコモのケータイだ。

 1985年にNTTがレンタルで提供した「ショルダーホン」100型、1987年にNTTが発売した日本初の携帯電話「TZ-802型」は、今からは想像もつかないほど大きく重い端末だった。

自動車電話を持ち出して使えるというコンセプトで3kgと非常に重く、ストラップで肩から提げて持ち運んだ「ショルダーホン」

 それがどんどん小型化を進めて、現在のフィーチャーフォンの原型として見える形になったのが、1989年にDDIセルラーグループ(現在のKDDI)が発売した、当時、世界最軽量のモトローラ製「マイクロタック HP501」(重量305g)。NTTも負けじと1991年に、重量230gの「mova TZ-804型」を発売する。現在のスマートフォンに近い重量になってきたが、当時の通信方式はアナログ方式で、できるのは通話のみだ。

ドコモケータイを振り返る 50xシリーズで高機能化が進み、FOMAが3Gの普及を後押し:ITmedia Mobile 20周年特別企画(1/3 ページ)

 NTTから分離し、NTTドコモとなってPDCデジタル方式の2Gサービスを始めたのは1993年。1995年の阪神・淡路大震災のときは、ようやく携帯電話普及の兆しが見えていたという状態。同年にPHSサービスが開始されて、翌年にはケータイに先駆けてショートメールを開始した。超小型ワープロのようなメール端末「ポケットボード」なども登場するが、1999年2月に、ドコモが「iモード」を開始し、「501iシリーズ」端末を発売すると、その後は端末とサービスの高機能化がどんどん進んでいった。

 絵文字を使ったメールや簡易的なWebサイト閲覧、端末内蔵のカメラで写真付きメールのやりとりが可能になると、ケータイのディスプレイは大型化、多色化、高精細化が進み、大きなディスプレイを搭載しながら小さく持ち運べる折りたたみ形状が主流になる。2000年に登場したカラー液晶ディスプレイ搭載の折りたたみモデル「N502it」(NEC製)は、モノクロディスプレイの「N502i」に続いて大ヒットした。

 ITmedia Moibleの前身、ZDNet Mobileがスタートした2001年は、「iアプリ」に対応した「503iシリーズ」が発売された年だ。503iシリーズの最大の特徴は、「iアプリ」と呼ばれるJavaアプリケーションを端末にダウンロードし、ゲームや地図などを利用できること。現在のスマホのアプリに通じるサービスだ。F(富士通)、P(松下通信工業)、N(NEC)、SO(ソニー)、D(三菱電機)の5機種全てにカラー液晶ディスプレイが搭載された。

ドコモの503iシリーズ。左から「F503i」「P503i」「D503i」「N503i」「SO503i」富士通のストレートケータイ「F503i」「DoCoMo by Sony」ブランドの「SO503i」

 503iのセカンドシリーズ「503iS」では、全ての端末が折りたたみスタイルになった。2002年に発売された504iシリーズは、iアプリ待受画面などが可能になってiアプリの機能が拡張した。また、504iシリーズは赤外線通信に対応し、アドレス情報のやりとりやテレビのリモコンなどで使われた。赤外線通信機能は、初期の国産スマートフォンにも搭載される。

 2002年6月にはシャープ製の「SH251i」で初めてカメラ付きケータイを発売し、「iショット」という名称でサービスを開始する。その後はご存じの通り、ケータイやスマホにカメラは当たり前の機能となり、コンパクトデジタルカメラやレンズ付きフィルムの市場を縮小させることになる。

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