永瀬正敏「グっとくるものがある」 ...

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永瀬正敏「グっとくるものがある」 『ホテルアイリス』舞台挨拶で“映画”への思いを語る

(左から)奥原浩志監督、菜葉菜、永瀬正敏、寛一郎

永瀬正敏「グっとくるものがある」 『ホテルアイリス』舞台挨拶で“映画”への思いを語る

映画『ホテルアイリス』の公開記念舞台挨拶が2月19日にヒューマントラストシネマ渋谷にて行われ、永瀬正敏、菜葉菜、寛一郎、奥原浩志監督が登壇した。【写真】舞台挨拶で笑顔を見せる永瀬正敏本作は、芥川賞作家・小川洋子の小説『ホテル・アイリス』を、永瀬正敏を主演に迎え、『波』『黒四角』の奥原浩志監督が映画化した日台合作映画。寂れた海沿いのリゾート地で、日本人の母親が経営するホテル・アイリスを手伝うマリは、嵐の夜、階上に響き渡る悲鳴を聞く。女に暴力と罵声を浴びせ立ち去る男に衝撃を受けながらも、激しく惹かれていく彼女は、やがて男が住む離れ小島へ導かれ、ふたりだけの禁断の世界にのめり込んでいく。本作に感銘を受けたと絶賛するMCのLiLiCoが登壇者を呼び込むと、満場の劇場を目の当たりにした永瀬は「こんなに会場いっぱいの皆さんが来ていただけるとは感激です」と挨拶。謎めいた翻訳家を演じた永瀬は役作りについて、「原作が素晴らしいので、この原作に漂う、これは現実なのか、夢なのか、妄想なのか、浮遊感みたいなものを大事にするためにどうしたらいいんだろう?ということを監督にご相談させていただいて、やっていったという感じですかね。原作はもう少し僕よりも年齢が上の役なんですが、それを僕くらいまでに落としこむのにはどうしたらいいのか、現場でご相談しながら、みんなでつくっていったという感じですね」と振り返る。奥原監督はそんな永瀬について、「役については、原作の小川洋子さんの小説の読み方というのは、そんなに僕とずれはなかったと思います。 現場は初日から撮影がはじまったんですが、永瀬さんがいらっしゃって、カメラで最初の歩き方を見た時に、『あ、これはもう、翻訳家だ』と思いましたね。ふと思ったのですが、劇中で『舌を出しなさい』という台詞があるのですが、永瀬さんはものすごく声がいいんですね。あの声じゃないと『舌を出しなさい』も成立しないんじゃないかな、と思いましたね」と永瀬を絶賛。マリの母親を演じた菜葉菜は20代前半の頃に原作を読んだそうで、「『わあ、なんて素敵な世界観なんだろう』と思って。当時まだ若かったので、この主人公のマリみたいな役をやりたいなと思っていました。今だったら監督にはっ倒されますが(笑)。それくらい好きな小説だったので、今回映画で参加できたことは本当にすごく嬉しかったです」と本作に参加できた喜びを明かした。寛一郎が演じた翻訳家の甥は、舌がなく、一切言葉を話さないという設定。そんな役どころについて、寛一郎は「台詞がなかったので、(現場に)台詞を覚えていかなくっていいというのはすごく幸せだったんですけど、その分、説得力を持たせるための何かが必要でした。でもこの作品の中で、リー・カンションさんと同じで、本線と近いんですが遊離したところにいるっていうすごく伝わりすぎない役だったので、しゃべれないとうのは、逆にアドバンテージだったな、と思います」と語った。映画『ホテルアイリス』陸夏(ルシア)&リー・カンション ビデオメッセージ舞台挨拶では、ヒロイン・マリを演じた陸夏(ルシア)と船頭役のリー・カンションからのビデオメッセージも特別上映された。そんなルシアとの共演について、永瀬は「まったく壁は感じなかったですね。日本語が本当に堪能だったので、日本のアニメショーンや、音楽とか、文化から、誰かに教わるんじゃなくて、自分でずっと長い時間をかけて習得されたみたいです。映画で台詞と吐くっていうのは、また違ったりするので、それは監督や、ダイアローグコーチについて、一生懸命学んでいらっしゃいましたけど、普段しゃべる分には全然問題なかったですね。びっくりするくらい」と日本語のうまさに驚いたと明かす。さらに「アドリブを出した時に反応がちゃんとかえってくるっていうのは、日本語を理解できていないと難しいので、それはすごいなと思いましたね。映画初出演ですからね」とその対応力を絶賛した。最後に奥原監督は「ぜひこの映画のことを、みなさんのお力添えで応援していただけたらと思っています。なるべく長い期間、できるだけ多くの方に観ていただきたいと思っているので、どうかよろしくお願いします」とコメント。主演の永瀬は「この映画にすごい思いを込めてもらえた台湾の映画人の人たち、そのDNAを惜しみなく注ぎこんでくれたみなさんと一緒にここに立ちたかったんですけど、それがかなわなくて非常に残念に思っています。ただ、毎週のように壇上に立たせていただいてる気がするのですが、そのたびに『映画館にみなさんが座っていただいている』という姿を見ると、本当にグっとくるものがあります。この映画も、僕にとってはコロナ前に、海外のみなさんと一緒に撮った作品です。この場に誓って、いつかまた、いろいろな国のみなさんと映画を一緒に作れればと思っています。まずは、この『ホテルアイリス』を観に、映画館にいらしていただければなと思っています」と熱いメッセージを贈った。

リアルサウンド編集部