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キューブはさらに2つのクリップで固定するが、手袋をはめていても取り外せるくらい簡単に扱える。とはいえ、手袋をはめる必要のある雪深い場所にいるなら、外さないほうが賢明だろう。カメラモジュールしか完全防水ではないのだ。
ダイヴィングをする人は、まだ落胆しないでほしい。65ドル(日本では6,050円)で水深60mまで耐えられる防水ケースが用意されている。だがその場合、簡単に取り外しできるというマグネット着脱式の利点は失われてしまう。完全防水ではない点は気になるが、水中での使用がメインでない限り、そこまで大きな不具合ともいえない。もちろん水中メインで使いたいならAction 2はオススメしない。
この製品のよい点は、マグネット着脱式なので開けづらい蓋やカヴァーがないことだ。カメラユニットは完全に密閉されている。さらに電源を付け、録画中であってもモジュールは交換できる。これはInsta360 ONE Rではできなかったことだ。
ただ、カメラモジュールの内蔵バッテリーはユーザーが勝手に交換できるものではないので、何年か使って劣化したらどうにかして取り替えなければならなくなる点には注意したい。ノートPCのバッテリーがユーザー自身で交換できなくなったことに似ている。この方式が主流にならないことを願うばかりだ。
また、メインのカメラユニットにmicroSDカードのスロットがないことも気になる。内部ストレージの容量は32GBだが、それ以上が必要ならSDカードスロットのついた電源モジュールかフロントディスプレイモジュールを取り付けなければならない。やや不便に感じるが、32GB分の映像を撮るよりも先にバッテリーのほうが切れてしまうだろう。
4K映像の場合、内蔵バッテリーだけで11〜13分撮影できた。電源モジュールがある場合の撮影時間はずっと長くなり、実際に試したところ40分は撮影できている。画質を1080pに落とせば、撮影時間は2倍以上になる。充電は約1時間半で完了する。
DJIが公式に認めるかどうかは不明だが、マグネット着脱式のもうひとつ利点は、金属製のものなら何にでもくっつくことだ。金属の柱がじゃまで三脚が置けないような状況でも問題ない。カメラを直に柱にくっつければいい。直近でこのマグネットが役に立つような状況は正直なかったものの、使おうと思えば使える。カメラをオーヴンの正面にくっつけて、オーヴンの目線でキッチン収納を撮影してみたら、なかなか面白い映像が撮れた。
防水ケースを含めまだ発売前の製品もあるが、DJIはAction 2用のアクセサリーを豊富に揃えている。ヘッドバンド用磁気マウント、三脚用マウント、ヘルメット用マウントなどだ。試したなかで特に興味深かったのは、リモコン付きの自撮り棒/三脚とマクロレンズカヴァーだ。マクロレンズカヴァーでは接写映像の撮影が可能になる(ただ、これを使うとなぜか画質がやや低下してしまった)。
やや特殊で状況によっては使いやすい点を除いても、Action 2の性能は十分と言える。最高画質4K/120fpsでの動画撮影性能は、GoPro HERO10 Blackの5.3K撮影には及ばないものの、最初のOsmo Actionと比べるとスペックはかなり上がっている。いまのところ感じられた5.3Kでの動画撮影の利点は、あとで映像をクロップしても4Kの画質が保たれることくらいだ。しかし、今後モニターやテレビの画素数が上がれば上がるほど、高画質な動画撮影の重要度は増すだろう。