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193コメント193件映画「牛首村」での演技が注目のKoki,(撮影・西尾 大助)
木村拓哉(49)、工藤静香(51)夫妻の次女でモデルのKoki,(19)が、公開中のホラー映画「牛首村」で銀幕デビューした。初めて経験した女優業に「人生最大の夢中に出合えました」と声を弾ませる。未知なるポテンシャルを秘め、新たな世界に飛び込んだ19歳の思いを聞いた。 「実はホラーが怖いんです」。まさかの発言に驚いた。 デビュー作「牛首村」は「呪怨」シリーズで知られるホラー映画界の巨匠、清水崇監督(49)の最新作。「犬鳴村」(20年)「樹海村」(21年)に続く「恐怖の村」シリーズの第3弾。しかも舞台は富山県魚津市に実在する“北陸最恐”の心霊スポット「坪野鉱泉」。かつて霊能者の故宜保愛子さんが建物に入るのを拒んだことでも知られ、そんな場所で撮影して大丈夫だったのか。 「坪野鉱泉の撮影前におはらいはしたんです。でもやっぱり凄くて。いきなり部屋の電気が消えたり、ドローンが飛ばなくなったり。(共演者の)松尾諭さんからもらったお清めの塩を自分のポーチに入れてたんですけど…」 幼い頃から「憧れだった」という女優業。その第一歩がホラー映画となったのは、清水監督からの熱心なオファー。すぐに「樹海村」を家族全員で見たが「私は悲鳴の連続で。次に怖がっていたのは母とおばあちゃん。父とお姉ちゃんは平気で、やっぱり私が一番怖がっていました」。 監督が作品の中に描く「家族、友情、姉妹の絆という物語」にひかれた。挑んだ役は不可解な出来事に巻き込まれる双子の女子高生姉妹。1人2役の難役だったが「それぞれの衣装や髪形を切り替えのスイッチにして臨みました。演じることに集中していたおかげで撮影中は全然怖くなかったです」。でも、完成した作品を試写で見ると「それが物凄く怖かったんです。私はこんな世界にいたんだと驚きました」という。 モデルの仕事では非凡な容姿を生かし、Koki,としてクリエーションしてきた。しかし映画では「与えられた役には名前があり、自分との共通点を探しながら、想像し考える」ことを体験。演じることに没入し、どんな作品に仕上がるかは想像できなかったが「チームで一つの作品を作ることの凄さを知り、映画の魅力に圧倒されました」。人生で初めて覚える胸の高鳴り。そこにはもう、ホラーへの恐怖はどこにもなかった。 父の言葉にも救われた。「NGはOKテークの種だから」――。 初めての演技と1カ月半にわたる撮影。1日で終わることもあるモデルの仕事とは全く異なる環境。「あるシーンの撮影で思い詰めた時、父に相談したんです。すると“NGはOKへの新しいチャンスだと思えばいい”って。この一言が心の支えになりました」。失敗を恐れなくなり、思い切った表現ができるようになった。 意識したのは目の演技。ホラー映画では恐怖を伝えるため、顔のアップを映すことが多い。意思の強いまなざしが彼女の特徴だが、スクリーンでは恐怖や不安におびえ、その目に光はない。モデルの時の輝きとはまた違う、女優としての“眼力”を手に入れ、クライマックスでの目の演技はそれこそ必見だ。 19歳。「人生最大の夢中に出合えました」という女優の道はまだスタートライン。モデルとしてグローバルに活躍する中、役者としても国内外で脚光を浴びる日はきっと来る。「こんなに好きになれるなんて思っていなかった。いつか私の演技で、見ている人の心を揺さぶって魅了できる人になりたいです」。自分が夢中になったもので誰かを夢中にさせたい。新たな目標を見つけ、大きな瞳はキラリと輝いていた。 《姉・Cocomiの“結婚が不安”》映画では「家族や姉妹のつながり」が大きなキーワード。私生活では姉のCocomi(20、写真)と仲が良く「姉を思う気持ちは自分と共通するところ。一番最初に役に入り込めた部分でした」と振り返る。最近、それを実感したのはCocomiの成人式。「和服姿の姉を見て、いつか結婚するんだなあと思ったら凄く不安になっちゃって。姉にそういう方がいるわけではないけれど“いつか取られちゃう!”という感覚。父より過激かもしれませんね」と笑った。
最終更新:スポニチアネックス