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同じ環境で撮影しても、一眼レフやミラーレスとWebカメラとで画質に差が出るのは、1つには映像センサーやレンズというハードウェアの違いがある。だが、ハードウェアと同じくらい重要な違いとして、設定面つまりソフトウェアの違いがある。どれだけ照明に気を遣っても、それに適した設定をしないと、思うような映像に仕上がらない。これまでのWebカメラは、この設定面が弱いものがほとんどだった。
それに対し、FaceCamは、センサー自体もソニー製で高品質なのだが、一眼レフのように、ISO感度やシャッター速度、ホワイトバランスを指定できるのが大きな特徴だ。付属のアプリでホワイトバランスを調整できるWebカメラはほかにもあるが、ISO感度やシャッター速度を指定できるのは、この製品以外にほとんどないと思われる。
また、FaceCamは、それらの設定を本体のフラッシュメモリに記録できるところが画期的だ。これはOBSの問題というか仕様で、ホワイトバランスや露出などを手動で調節できるが、OBSを終了するとそれらはデフォルト値に戻ってしまう。だが、FaceCamなら、付属ソフトで細かな設定を行なった上で保存しておけば、毎回調整する手間が不要となる。
論より証拠ということでOBSを使い、ソニー製ミラーレスカメラ「α6600」+シグマ製レンズ「SIGMA 16mm F1.4 DC DN」を使いキャプチャした映像とFaceCamでキャプチャした映像を観ていただきたい。後述するように、NVIDIA Broadcastを使って背景をぼかすことで、FaceCamの映像はミラーレスにかなり近いレベルに仕上がっているのが分かる。具体的な設定方法なども含め、紹介していく。
α6600+SIGMA 16mm F1.4 DC DNの映像とFaceCamの映像比較。FaceCamにはNVIDIA Broadcastによる背景ぼかしをかけている