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公開された『空飛ぶクルマ』のモデル機は1人乗り。社会実装時には2人乗りとなり、一回り大きくなるもようだ
空飛ぶクルマで万博会場へ――。2025年の大阪・関西万博に向け、エアタクシーの取り組みが加速する。空飛ぶクルマを開発するSkyDrive(東京都新宿区)は22、23日、大阪港中央突堤で海上飛行に必要なデータをドローンにより取得する実証実験を行った。さらにエアタクシーのモデル機を公開。社会実装に向けた機運を高めた。 実験ではSkyDriveが既に商用化しているカーゴドローンを使用。海上を高度20メートル、沖合50メートルまで飛行し、センサーで海風の影響、バッテリー消費、充電の頻度・時間などのデータを収集・分析した。約5分間の海上飛行を2日間で12回行った。 さらに、天保山マーケットプレース(大阪市港区)でテスト機の機体を公開。機体は4×4メートルの大きさでプロペラ8枚を搭載、1人乗りの設計だ。社会実装ではパイロットを含め2人乗りとなり、サイズも一回り大きくなるのに伴い、プロペラ数も検討するという。 万博でエアタクシーとして飛行する際には地上100メートルを飛行し、関西国際空港から夢洲まで乗客1人を送り届ける。同社によるとフライト料金は数万円となる見込み。 空飛ぶクルマとドローンの違いは、機体の大きさに加え、人を乗せるための安全性の確保だ。法的には航空機の扱いになるが、動力にエンジンではなくバッテリーを使用していることから、航空法の改正に向けた取り組みも官民連携で進んでいる。 福澤知浩代表取締役CEOは「愛知県の飛行試験場ではパイロットを乗せた飛行試験を繰り返している。(万博の)1年前にはプロトタイプを完成させたい。30年には自動運転を実現し、2人の乗客を乗せられるようになる」と話していた。
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