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米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES」での記者会見で、ソニーは2025年にソニー・モビリティを設立し、2年前に発表した同社のEV「Vision-S」の最新モデルである「Vision-S 01」とSUVモデルの「Vision-S 02」の市販を目指すと発表した。2年前に「EVにおける車載インフォテインメントシステムや自動運転の可能性を、実際に車を作って検証する」としていたソニーが、自動車販売に踏み出したのはなぜか。また、ライバルでもあり同じく自動車OEMのTier1サプライヤーであるパナソニックは、これにどう対抗していくのか。現地からお届けしよう。
米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子
米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子
米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。
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つまり、ファブレスメーカーとなることにより、莫大な投資が必要な製造部門をアウトソースし、製品化までの時間短縮やコストカットが可能になる。パワートレインという車の駆動部を自社で作らない選択は、従来の自動車業界では考えにくいことだったが、モーターとバッテリーの組み合わせであるEVでは、多くの企業がこうしたスケートボードを提供するサプライヤーとして名乗りを上げているのも事実だ。 たとえば、アップル製品の製造で知られる台湾のフォックスコンもその1つで、中国吉利自動車などと提携してEVプラットフォームに参入すると宣言した。アップルが2025年を目途にアップルカーを本格的に投入するといううわさは根強いが、フォックスコンがその製造を請け負う可能性が高いといわれている。 ソニー・モビリティが成功すれば、ファブレスという考え方がさらに広がり、自動車業界が「ハード」面と「ソフト」面にはっきりと分かれることも考えられる。今回ソニーはその先鞭(せんべん)をつける企業の1つになることが明らかになったわけだ。【次ページ】ソニーがEV業界に参入した納得の理由、背景に新市場めぐる激戦お勧め記事
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