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【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】第674回:空撮初心者でもOK!? DJI「Phantom2 Vision+」 - AV Watch

 昨年あたりから急激に、ラジコンヘリによる空撮映像が市民権を得つつある。実を言えばもう2~3年前から世界最大の映像機材展であるNAB Showでは、クワッドコプターによる空撮の出展も行なわれていたのだが、日本ではまだ自分の周りで使っているという話は聞いていなかったので、取材していなかった。

Phantom2 Vision+

 いわゆる2ローター式のヘリに比べると、ローターが4つのクワッドコプターは扱いやすいとして、ホビーでも多くのモデルが発売されている。一方カメラ搭載可能な大型機では、安定性を増すため、さらにはもっと重いカメラを搭載するためにローターが6つ、8つといったモデルもある。それぞれ数に合わせてヘキサコプター、オクタコプターと呼び方が変わるわけだが、2ローター以上のものを総称してマルチコプターと呼ぶ。マルチコプターの中でもっともシンプルな構造が、クワッドコプターということになる。

2月の「CP+ 2014」で展示された8ローターモデル「S1000」。5D Mark II/IIIで空撮が可能だ

 海外では“ドローン”という言い方のほうが定着しているようだ。ただ語源としては無人操縦機というニュアンスで、軍用をはじめとする大型機のニュアンスを感じる。さらに言えば、航空機だけでなく地上を走る自動操縦車両もドローンに入るので、幅が広い。日本では、いわゆるラジコンヘリで空撮するやつといえば、「クワッドコプター」が代名詞的に使われている。

【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】第674回:空撮初心者でもOK!? DJI「Phantom2 Vision+」 - AV Watch

 これまで多くの空撮に使われ、クワッドコプターの「標準機」というポジションを占めるのが、DJIの「Phantom2」だ。これにGoPro用ジンバル(揺れや傾きなどを補正する機構)を取り付け、カメラをつり下げる格好で撮影する。

 しかしこのセットは、ジンバルの取り付けなどを自分で行なう必要がある。配線もいじるため、一種の改造と言うこともできる。またGoProも自分で別途購入して、バランス調整なども行なう必要があるので、これまでラジコンヘリなどいじったこともないという人がいきなり買って挑むにはハードルが高い。

 “もっと空撮を簡単に”ということで、Phantom2をベースに最初からジンバルとカメラまで付いた状態でこの6月より販売が開始されたのが、「Phantom2 Vision+」(以下P2V)というモデルだ。Amazonでは148,500円となっている。

 カメラはオリジナルモデルで変更できないため、その画質も気になるところだ。今回は本当にキャッチフレーズ通り「誰でも簡単にフライトできる」のか、実際に機体をお借りして、自ら飛ばしてみることにした。

 筆者はこれまで、いわゆるオモチャクラスのクワッドコプターなら遊びで飛ばしたことはあるので、操縦方法は理解しているが、これぐらい大型のモデルを扱うのははじめてだ。そんなレベルでも、はたしてうまく飛ばせるだろうか。さっそく試してみよう。