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4コメント4件1号機格納容器の底部の水中で確認された堆積物(右下)=東京電力ホールディングス提供
東京電力は福島県の福島第一原発1号機原子炉格納容器の底部をロボットで撮影した結果、水の中に大量の堆積物が沈んでいるのを確認したと9日、発表した。堆積物が溶融核燃料(デブリ)かどうかは「現時点で判別できない」としている。水中では毎時約1~2シーベルトの高い放射線量を計測した。今後、別のロボットを投入し、堆積物の採取やデブリの調査を進める。 今回の調査は8、9両日に実施した。カメラ付きのロボットを遠隔操作で水中に潜らせて映像を撮影した。格納容器の底部側面にある円盤状の構造物付近に、厚さ約90センチの堆積物があるのが見つかった。堆積物が水中で巻き上がる様子や、水面に油のようなものが浮いている様子も映っていた。 毎時1~2シーベルトの放射線量は8日に調査した範囲で測定された。2017(平成29)年3月の前回調査では、別の場所で最大で毎時11シーベルトを計測していた。 東電の担当者は9日夜の記者会見で、堆積物の色や性状の判別が現時点では難しいと説明。堆積物がデブリかどうか「分からない」と語った。
一連の調査は、廃炉作業の最難関とされるデブリ取り出しに向け、格納容器内部の情報を集めるのが目的。今回投入したロボットは映像撮影に加え、今後投入するロボットの通り道となる「ガイドリング」と呼ばれる輪を4カ所に取り付けて作業を終えた。 東電は今後、核種の分析や堆積物吸引、分布把握など用途の異なる複数のロボットを順番に投入する。 1号機は原子炉圧力容器内にあった燃料のほぼ全量が溶け落ちたとみられているが、炉心溶融した1~3号機のうち唯一、デブリを確認できていない。(動画は東京電力ホールディングス提供)
最終更新:福島民報