ヤマハ発動機がヘリコプターの音を見...

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ヤマハ発動機がヘリコプターの音を見える化、その方法と狙い

産業用無人ヘリコプターの流体音源を見える化した解析図

ヤマハ発動機がヘリコプターの音を見える化、その方法と狙い

 ヘリコプターの「ババババ…」という飛行音を見える化―。ヤマハ発動機は音響や流体、構造の解析など複数のシミュレーションを統合した解析手法である連成解析で、産業用無人ヘリコプターのエンジンの発する音やローターの流動音が混ざり合って聞こえる飛行音を見える化した。ローターの流動音の正体を解明し、稼働時の静音性を高めるのが狙いだ。 産業用無人ヘリは農薬の空中散布など農業の現場に加え、運搬や観測、調査など用途が広がっている。静音性を高められれば、夏の暑い時期での作業者負担の軽減につながる。また住宅地に近い現場でも使いやすくなるなどで、活用のフィールドは広がる見込み。 米MSCの解析ツール「Nastran」を用いて流動音の解明などを進めている。同ツールのユーザーを対象とした活用事例コンテストで1位に選出され、副賞1000ドル(約11万5000円)を獲得した。ヤマハ発動機で無人ヘリを担当するUMS事業推進部の設計担当者は「これを励みに、より静かでフレンドリーな製品開発を進める」と意気込む。 無人ヘリでは4ストロークエンジンの採用で騒音を3デシベル低減した実績があるが、さらなる低減を目指す。 連成解析による知見は製品開発に加え、静かな飛ばし方の習得などにもつながる可能性があるという。先行開発や製造技術、製造の各部門と連携し、解析技術を開発プロセスの革新や製品の基本構造の変革にもつなげる方針だ。