【西川善司の大画面☆マニア】驚異の暗...

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【西川善司の大画面☆マニア】驚異の暗部表現! ビクター「DLA-V90R」は8KもHDRもスゴかった-AV Watch

8K対応プロジェクタ「DLA-V90R」

1990年代は、夢のデバイスとして期待されていた「反射型液晶」(LCOS:Liquid Crystal On Silicon)技術。これを他社に先駆け、“D-ILA”(Direct drive Image Light Amplifier)パネルとして実用化したのが、日本ビクター(現JVCケンウッド)だった。かくいう筆者も1998年発表のD-ILAプロジェクタ「DLA-G10」(168万円)を購入した経験がある。まだ当時は、DVDが最新デジタル映像ディスクメディアとしてもてはやされた、HDMI端子すらない時代のことだ。

その後、インテルを初めとして様々な先進技術を持った企業がLCOSパネルのビジネス化に挑戦したものの、成果を出せなかった。一定の成功を収め、なおかつアマ/プロさまざまな映像マニアから高い評価を獲得し続ける製品を今でも出しているのはJVCと、SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)パネルとして実用化したソニーくらいである。そのため、高画質LCOSプロジェクタの座を巡る「JVC対ソニー」の構図は、映像マニアには定番の“話のタネ”になっている。

さて、こんな前置きを綴ったということは、そう。再びLCOSプロジェクタ戦線が盛り上がりそうなのである。

【西川善司の大画面☆マニア】驚異の暗部表現! ビクター「DLA-V90R」は8KもHDRもスゴかった-AV Watch

今回取り上げるのは、Victorブランドで昨年発売されたプロジェクタ「DLA-V90R」。最新のD-ILAパネルを採用し、8K60p、4K120p表示に対応したウルトラハイエンド機だ。価格はなんと275万円。

下位モデルに「DLA-V80R」(165万円)、「DLA-V70R」(125万円)がラインナップしており、競合するソニー「VPL-VW745」(2017年発売モデル)のオーナーでもある筆者としては、価格帯的に拮抗するV80Rあたりの評価をしたかったのだが、評価機の都合によりハイエンドのV90Rを検証することにした。

記事目次

・外観:重量25.3kgのマッチョボディ。駆動音は24dBと良好 ・インターフェース:8K60p、4K120p対応のHDMI入力を2系統搭載 ・映像モード:マニアックなメニュー満載。Frame Adapt HDRは積極的に使うべし ・遅延チェック:ゲームするなら低遅延オン。e-shiftはソースで選択 ・8K e-shiftX:表示品質向上。グラフィックモードの使いこなしがキモ ・輝度制御と発色性能:シネマフィルターの搭載有無が映像に大きく影響 ・画質チェック:ここまで来たかプロジェクタのHDR! そして奇跡の暗部表現 ・8K放送チェック:圧巻の解像度。まさか袈裟の生地の陰影に感服するとは ・総括:V90Rは凄まじい高みの領域に。買えるなら買え